糸から染め上げた自分だけの着物を
紹介しています。
私は大学の卒業制作として着物を作り上げました。
染料から自分の納得のいくまで配合と調整を重ね、そこから大釜で必要量絹糸をグツグツと煮染めていき、色が定着して準備が整えられてからようやく手動の機織りでガシャガシャと着物生地を織っていきました。
はじめは納得のいく色ができるまで、苦労の連続です。
絹糸は光沢がある為、染料だけを見れば理想の色合いなのに実際に糸を染めたら全く違う色になっていることがあり、何度も挫折しそうになりました。
けれども、思ったような糸がようやく出来た時の感動は言うまでもありません。
しかしまだ糸の染め上げ段階。ここから更に生地にしていかなけならないのでまだまだ時間がかかります。
デザイン画に起こした着物にするにはどう織っていけばいいのか、今度は機織り機との戦いでした。
私はデザイン自体は単純なグラデーションでしたが、そのグラデーションを袂や裾、襟に均等に施したかったのでこの色はここまで、次はこの色をこれだけ織ってと計算しながら進める必要がありました。
少し織っては糸を戻して修正を加えてまた織って、、、絹糸は繊細なので途中で切れて織り機から外れてしまうこともあり、それを直すのもまた一苦労。
ようやく生地が出来上がり、後は着物に仕立てていく。和裁は苦手な方でしたが、これまでのことからすれば全く苦になりませんでした。
仕立てた着物とは別に帯も刺繍で同時進行で作っていたので、他の子達の完成よりもかなりの時間がかかってしまいましたが、卒業式で一から自分で作った着物を着れたことは本当に良い経験になりました。
ただ、着なくなった着物を何とかしたいという方は
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